個別労働問題
以下、個別の労働問題内容をQ&A方式で挙げていきます。
事前に、労働問題のページをよくお読みになってから、下記内容をご覧下さい。
メールマガジンと連動して、内容を増やしていきます。
採用内定の取り消し
Q 就職活動をして、たくさんの会社に応募し、ようやく一社内定をもらいました。内定
をもらったので、就職活動を終了したところ、入社間際になって、突然内定取り消しを言
い渡されました。納得が出来ないのですが、どうすればいいでしょうか?
A 通常、内定が出て、その会社に就職するつもりがある場合、就職活動は終了するでし
ょう。もし、内定取り消しが早い時期だったら、まだ就職活動を続けられた可能性はあり
ますが、この事例では、もはや就職間際での出来事なので、他の企業を探すのもなかなか
難しいかも知れません。
そもそも、この様な一方的な内定取り消しは許されるのでしょうか?「内定」とは、法律
的には「解雇権留保付き労働契約」の成立を言います。ですので、原則として内定取り消
しは許されません。
内定取り消しが認められる例として、学生が卒業出来なかった、健康診断の結果、職務に
耐えられない、刑事事件を起こした、経歴に重大な詐称があった、などがあります。
以上の理由以外(例えば業績不振)では、ほぼ内定取り消しは認められないでしょう。企
業側がどのような理由で内定取り消しをしたのかを明らかにしましょう。
企業側に、内定取り消しの理由書を書面でもらうように心がけて下さい。
書面がもらえず、電話等による場合は、会話を録音したり、メモを心がけて下さい。特に、
企業側の担当者や、電話の日時などを忘れずにメモをして下さい。
取りうる手段としては、社員の地位確認の訴えもしくはその前提としての仮処分や、賃金
支払い、損害賠償請求などが考えられます。
地位確認とは…その会社の社員としての地位を裁判所に確認してもらうための訴えです。
この請求が認められれば、社員として、働けなかった間の給料がもらえたり、今後、その
会社に勤めることが法律的に認められます。
仮処分とは…上記のような裁判を起こすと、裁判終了までに、数ヶ月〜数年かかることも
あります。したがって、その間、「仮の地位として、その会社の社員」である、という処
置を裁判所に求めます。この請求が認められると、仮の地位として社員になるため、地位
確認の訴訟が終わるまで、社員として労働したり、給料を支払ってもらうことが出来ます。
ここまでが、一般的な対応策です。
しかし、本音を言ってしまえば、このような内定取り消しをするような会社は、結局のと
ころ、数年内に倒産します。そんな会社に無理して入るよりも、入る前に気が付いて良か
った、と考えるのも一つの手です。
そのように考えた場合、法的措置としては、地位確認などを求めず、会社にまだ財産が残
っているうちに(実際は、かなりの確率で債務超過だと思われます)損害賠償請から、和
解に持ち込むなどをして、倒産前に、支払わせて当面の就職活動の原資にするほうがいい
と思われます。
具体的な手続としては、会社相手に内容証明郵便などで、損害賠償請求をしたり、直接少
額訴訟を提起してみるのも有効な手です。あくまでも、和解に持ち込んでいくらかの和解
金をもらう事を目標とするのがよいでしょう。
試用期間とは?
Q とある会社に就職したところ、「3ヶ月の試用期間がある」と言われました。試用期
間とはなんですか?試用期間の延長や、試用期間中に解雇される場合はありますか?
A 企業側としては、面接をして採用を決めたものの、その労働者の能力や適正などはわ
かりません。そのため、期間を決めてその労働者の働きぶりや態度などの様子をみる事を、
「試採用」といい、試採用の期間を「試用期間」などと言います。
しかし、試採用とはいえ、労働契約はすでに有効に成立しているため、使用者の一方的な
解雇はよほど労働者の働きぶりや態度に問題がないと認められません。もちろん、新入社
員なので、細かいミスはよくあると思います。しかし、それをもって「適正なし」とする
のは違法です。
結局のところ、この制度は、試用期間中は、労働者に仕事を覚えてもらう期間なので、そ
の間は労働者の生産能率が低いため、給料を下げて人件費を減らすための大義名分とな
りはてているのが現状です。
また、試用期間の延長は、当事者の合意が必要ですので、企業側からの一方的な延長通
告は無効です。
仮に、試用期間後に、本採用を拒否された場合は、理由を書面でもらって下さい。理由が
本採用を拒否するに足りるだけの事情が無ければ、これは一種の不当解雇です。不当解
雇にはそれなりの対処があります。
また、試用期間といえども、解雇予告手当は当然に発生します。普通の労働契約(期間の
定めのない契約など)は、試用期間3ヶ月と言う定めでも、労働開始後2週間を経過すれ
ば解雇予告手当を請求できます。
結局のところ、労働者自身がどのように考えるかが一つです。
本採用を拒否される事情がある場合は別ですが、基本的に本採用を拒否することは違法
であり、労働者の弱い立場につけ込んで違法行為をするような企業に、さっさと見切りをつ
けるか、それでもその企業に居たいのか、という点をよく考えてみて下さい。
労働条件
Q 会社の募集要項を見て、企業に応募し、採用されました。しかし、いざ働いてみると、
労働時間や賃金などが、募集要項と違いました。このような場合、どうしたらよいですか?
A 企業側は、労働条件の明示義務があります。具体的には、
書面による明示が義務づけられている事項
1.労働契約の期間
2.就業の場所・従事する労働の内容
3.労働時間に関する事項
A.始・終業時刻
B.所定労働時間を超える労働の有無
C.休憩時間
D.休日
E.休暇
F.交替制勤務をさせる場合には、就業時転換に関する事項
4.賃金の計算・支払の方法、賃金の締切・支払の時期に関する事項
5.退職に関する事項
その他、任意の事項として、昇給や退職金に関する事項などがあります。
これらの事項を明示しなかった企業は、30万円以下の罰金となります。
しかし、企業側に罰金が科せられたところで、労働者にとって、どれほどの意味があるの
でしょうか。
明示された労働契約と、実際が食い違っている場合、労働者の取りうる手段として、労働
契約の即時解除が出来ます。この場合、例えば東京の会社に勤めるに当たって地方から出
てきた場合などは、旅費などを請求することが労働法上認められています。
退職を希望しない場合は、 明示された労働条件を満たすよう、企業側に請求する事が出
来ます。もし、企業側が「明示したとおりの労働条件だ」と言い張った場合に備えて、募
集要項をきちんと証拠として保管しておきましょう。
インターネット通販などで、1500円という値段の表示がついた商品を購入したところ、
15000円請求された、とか、オークションで10000円で売り出したところ、、買
主がその値段で落札したにもかかわらず、難癖つけて、2000円しか支払わない。これ
と、まったく同レベルの問題です。
募集要項を掲げておきながら、募集要項通りの賃金を支払わない、そんな会社は、いずれ
倒産します。約束を守るのは、ビジネスとしての最低ラインです。労働者に対して約束を
守れない企業が取引先に対して、約束を守れるでしょうか?きっと約束を破って、信用を
落とし、倒産の憂き目に遭うでしょう。
就職した直後に退職すると、無職になるばかりか、失業保険も出ません。半年をめどに、
水面下で転職の準備をしておくのも一つの手です。
なお、賃金の消滅時効は2年です。不足分をきちんと計算し、早めに請求しましょう。
司法書士・行政書士飯山陽平事務所
〒359−0038
埼玉県所沢市北秋津791番地の2 増田ビル301
(西武新宿線・西武池袋線所沢駅東口徒歩5分)
TEL:04−2998−5922
FAX:04−2998−5923
当サイトのすべてのページにつき、無断の転写・転載はお断り致します。
【免責事項】
当ホームページよって被ったいかなる損害についても、情報提供者は一切の責任を負いかねます。
掲載してある情報については自己責任のもと活用してください。