労働問題
具体的な事例はこちらからご覧下さい。随時更新して内容を増やしていきます。労働問題解決の心構え
法律家としてこれを認めてしまうのは、大変遺憾ですが、労働問題のような法律紛争
は、実は法律の問題ではありません。したがって、解決方法も、法律だけでは限界が
あります。
例えば、起業から、不当解雇をされた場合。
仮に、依頼人がそのような相談をされた場合、法律家として出来ることの一つは、
解雇無効確認の訴えを提起することです。そして、勝訴した場合。判決で、復職が
認められます。しかし、実際に復職することはできるでしょうか?
小さな企業であれば、社長室、などというスペースがあるのは稀でしょう。小さな事務所
に、社長と社員全員が顔を合わせる、そんな職場が大多数と思われます。
訴訟は、会社が当事者の場合、原則として会社の代表者が法廷に立ちます。法廷で
会社の社長と真っ向から争っておいて、元の職場に戻る事が出来るのは、稀である、
と言わざるを得ないでしょう。
実際、このような訴訟においては、労働者が勝訴判決をもらった後、和解金をもら
って職場には戻らない、という和解が成立するのが大多数です。
結局、不当解雇されてしまった以上、依頼人の目的である「復職」は達成されない
ことになります。
とはいえ、不当解雇するような企業にいる、ということが労働者にとって本当にい
い事かどうかは、わかりません。和解金をもらって、その企業に見切りをつけて、
もっといい会社を探す方が、労働者にとって有意義とも言えます。
しかし、それまで働いてきた会社に対する思い、その職場で形成された人間関係な
どの感情面に加えて、今後の再就職がうまくいくか、という問題もあり、本当に依
頼人にとって、どうしたら一番いい解決方法になるかは、わかりません。
こうなると、法律家としては無力感に苛まされます。
そこで、思い至ったのが、心理学の分野です。心理学を応用し、依頼者に対して的
確な相談に応ずることが出来たら、例え現実的な解決方法が最良でなくても、ある
程度は満足して頂けるのではないか?と考えた次第です。
そこで、心理学の本を読みあさり、あちこちのセミナーに出席し、精神科医やカウ
ンセラーに話を聞いて、法律家として心理学を勉強しました。
その結果、得られたものは、心理学だけでもダメだ、という事です。やはり、法律
も必要です。
今度は、セクシュアル・ハラスメントの例を出します。
職場の上司から度重なるセクシュアル・ハラスメントを受け、その上司の声を聞く
だけでも、強い不快感を覚えるまでになってしまった場合です。
これは、立派な犯罪です。犯罪は、刑事事件の問題です。つまり、この上司が、刑
務所に服役するかどうかの問題です。そうなれば、「気が済む」、という考え方も
あります。
しかし、この場合、セクシュアル・ハラスメントによって、犯罪被害を受けていま
す。この救済は、加害者たる上司が刑務所に収監されたところで得られるものでは
ありません。
この上司さえ居なくなれば、またその職場で働けるかもしれません。しかし、セク
シュアル・ハラスメントは、企業の体質である、とも言えます。具体的には、この
上司を放置してしまった責任は企業にあります。この体質が変わらない限り、第二
の被害者は、いずれ出てくるでしょう。
そんな企業ではもう働けない、という場合であれば、心理学ではなく、法律家の出
番です。つまり、その上司と企業に対して、受けた被害の補償をしてもらう、とい
うことです。「不法行為による損害賠償」とか「慰謝料」の請求をするのです。
依頼人自身が実際に法廷で争うことも出来ますが、おそらく、その上司の顔は、も
う二度と見たくないでしょう。そこで、司法書士が代理人となって、法廷で争うこ
とができます。
以上二つの例からまとめると、会社相手に争う場合、一つ必要なものがあります。
会社相手に法律で争う、覚悟です。
もちろん、司法書士が代理人になることもありますので、労働者自身が、直接法廷
に出たりしない場合もあり得ます。しかし、司法書士は代理人であって、本人では
ありません。労働者たる依頼人の代わりに法的手段を講ずるのであって、結局は、
労働者と会社の争いです。
本気で、会社と争う覚悟がありますか?
ここまで散々偉そうに言ってきた私は、この覚悟がありませんでした。
度重なる長時間労働・休日出勤の手当を求めて、退職後に訴訟を起こそう、と考え
ておりました。私の場合は、すでに司法書士の資格を持っていたので、「いつこの
職場を辞めてもいい」という覚悟はありました。
大多数の労働者は、辞めたくても辞めることが出来ないのではないでしょうか。
そして、私の場合は、結局訴訟を起こすことは出来ませんでした。もちろん、勝訴
する自信はありました。しかし、勝訴した後、その職場はどうなるのでしょうか。
慢性的に違法な残業をさせていた職場です。私だけではなく、他の労働者にも支払
いをする義務があります。
その結果、その職場が倒産したり、信用が失墜して収益が下がり、リストラなどが
行われるようになったら…。
私は、資格があるし、いつ辞めてもかまわない覚悟がありました。しかし、他の労
働者は違います。もし、倒産してしまったら、他の人たちにも無職を突きつけるこ
とになります。
私には、そこまでして訴えを提起する覚悟がありませんでした。
もちろん、悪いのは、残業代や休日出勤手当を払わない、その企業です。
しかし、このままでは、その職場は労働者を搾取し続けて、利益をあげていくこと
でしょう。そんな反社会的な企業をこのままのさばらせておいていいのか。
いろいろ悩んだ結果、一つの結論が得られました。私の判断は、それが正しかった。
そんな気がします。
理由は、他の労働者が、現状に甘んじていることです。つまり、求めてもいない、
職場環境の向上、その結果、最悪の場合としての倒産。これらの状況を、求めても
いない人たちに押しつけることは出来ません。
「どうにかしたいけれど、どうしたらいいのかがわからない。」そんな考えの方が
大多数であれば、私も悩まずに訴訟を起こしたでしょう。
残念ながら、私の元いた職場の改善は断念しました。しかし、今後の課題として、
労働者の保護の為にはどうしたらいいのか…。劣悪な職場環境に苦しんだ、元労働
者として、現在は司法書士という一人の法律家として出来ることを考えてみました。
一つの結論が、創業支援です。これから生まれてくる新しい企業に対して、誕生に
立ち会ったものとして、労働法はきちんと守られるべきである、という遵法精神を
まだ新しい企業に植え付けることです。
古い企業の体質は、なかなか変えられないものです。その企業が古くなればなるほ
ど難しいです。そんな企業は、得てして業績が良くないケースがあります。この場
合、その企業は、労働者に正当な代価を支払うようになったら、倒産しかねないの
が始末が悪いところです。
企業側も、労働者側も、それを理解していて、違法状態が暗黙の了解になっている。
これが、多くの企業の実態ではないでしょうか。
だから、せめてこれから世に出て行く企業は、労働法を遵守してほしい。その為の、
創業支援です。
創業支援の他に、出来ることは、法律相談です。公的なカウンセラー資格を持って
いるわけではありませんが、従来の法律家にありがちな、単なる手続屋に終わるこ
となく、より親身になった相談を心がけ、その結果、必要に応じて何らかの法的手
段を執る。このような姿勢が、これからの法律家に必要ではないのでしょうか。
私自身が、「覚悟の出来ていない労働者」だったので、当事務所では、私と同じよ
うな「覚悟の出来ていない労働者」からの相談をお待ちしております。「どうにか
したいけれど、どうしていいかわからない。」そんな相談を特に歓迎します。
労働法律相談申込はこちらからお願い致します。
会社を辞める心構え〜失業保険の賢いもらい方〜
「こんな職場、いつ辞めてもいい」などと、心のどこかで思っていながらも、いざ
辞めるまでに、半月かかりました。辞めたくても、なかなか辞められないのが、大
多数ではないかと思います。
とはいえ、本当にその職場にいることが自分にとっていいことなのか。悩んだとき
は、よく考えてみて下さい。居たくもない職場にずるずると居続けられるほど、時
間はありません。二度と取り戻すことの出来ない、時間、という価値をよく認識し
て下さい。
職場にしがみつき続けると、何も見えなくなってしまいます。思い切って、手を離
してみると、目の前に、大きなチャンスが転がっていたりすることもあります。これ
は、思い切って手を離したからこそ、見えるものなのです。
もちろん、辞めればいい、というものではありません。あくまでも、自分にとって、
どうしたらいいのかを考えて下さい。
その上で、辞める、という選択を選んだ方の為に、いくつかのアドバイスをしたい
と思います。
おそらく、退職後、再就職先が決まっている、というケースは稀でしょう。しかし、
焦って再就職を探して、前よりひどい職場に就職してしまっては、元も子もありま
せん。じっくりと、自分自身を見つめ直す期間が必要です。
しかし、退職後、収入が途絶えた状態で、じっくりと自分を見つめ直すのは、経済
的な不安が先に立って、なかなか難しいと思います。
そんな方の為に、用意されているのが、失業保険です。
今までの相談例から考えると、この制度を見落としている方が、かなりいらっしゃ
います。「失業保険って聞いたことあるけれど、自分には当てはまらない」とか、
「考えても見なかった」とおっしゃる方が、多いのには驚きました。
失業保険をただもらうのではなく、より有利にもらうためには、在職中からの準備
が必要です。失業保険の手続と合わせていくつか紹介します。
失業保険の金額
実際にもらえる金額は、退職前六ヶ月が基準となります。退職前六ヶ月の給料を
180日(法律上、一ヶ月30日で計算しています)で割った金額を、賃金日額と
いい、これが一定の日数分(所定給付日数といいます)もらえます。
つまり、残業代がきちんと支払われる職場の方は、辞める前六ヶ月は、少しでも多
く残業して、この六ヶ月間の給料を上げて下さい。
失業保険の受給資格
また、雇用保険料を最低六ヶ月以上払っていないと、失業保険はもらえません。
退職前に、雇用保険をどれだけの期間、支払ってきたかをよく確認して下さい。も
し六ヶ月未満であれば、退職の時期を考え直すのも一つの手です。
もう一つの条件は、失業の状態である、ということです。つまり、働こうと思えば
いつでも働ける状態です。けがや病気などがなく、働く意思があることをもって、
失業の状態といいます。
ここでは、失業保険をもらって働かずに悠々自適な生活を奨めているのではなく、
失業保険を使って、焦って再就職することなく、自分に合ったライフワークを探す
期間、と考えております。
失業保険の手続
退職後、10日前後で、職場から離職票を受け取ります。必要書類を整えてから、ハ
ローワークに手続をしに行くことになります。
必要書類は、
1.離職票−1と離職票−2(2枚一組。職場から受け取ります)
2.雇用保険被保険者証(たいていは、職場で管理されておりますので、職場から
もらって下さい)
3.免許証または住民票
4.写真(縦3.5×横2.5の証明写真)
5.印鑑(実印以外)
これらをもって、ハローワークに行き、手続と求職の申込みをすることになります。
受給制限の回避〜自己都合を会社都合にする方法〜
上記手続を終えると、7日間の待機期間を経てから、失業保険の手当が出ます。し
かし、退職理由によっては、3ヶ月間、受給制限があり、その後の支給となります。
この退職理由は、自己の責任による重大な理由による解雇と、自己都合退職です。
「辞める」と言って退職する以上は、原則として、自己都合退職になりますので、
ここでは例外をいくつか紹介します。
1.労働条件に係わる重大な問題(賃金低下、賃金遅配、過度な時間外労働、採用
条件との相違等)があったと労働者が判断したため。
2.就業環境に係わる重大な問題(故意の排斥、嫌がらせ等)があったと労働者が
判断したため。
3.事業所移転により通勤が困難になったため。
4.職種転換などに対応することが困難であったため。
5.職務に耐えられない体調不良、けがなどがあったため。
6.妊娠・出産・育児のため。
7.家庭の事情の急変(父母の扶養、親族の介護等)があったため。
8.転居等により通勤困難となったため。
などがあります。
これらの内容は、離職票の離職理由にあり、労働者と会社がそれぞれ理由を記載し
てハローワークに提出することになります。
つまり、会社は当然、労働者側の自己都合だと主張するでしょうから、こちらは、
上記のような内容を主張することになります。最終的な判断は、ハローワーク側に
あります。もし、こちらの主張が認められれば、会社都合による退職となり、
3ヶ月の受給制限を回避できることになります。
しかし、ハローワーク側に認めてもらうには、それなりの根拠がいります。そこで、
退職前に、あらかじめ証拠作りをしておくのです。
具体的には、例えば、いじめなどの場合は、自分を誹謗中傷する会話を録音してお
いたり、所持品を荒らされるなどの場合は、写真撮っておくことなどです。
過度の時間外労働の場合は、タイムカードのコピーを取っておくこと。メールの送
信記録を控えておくことなどです。
なお、これらは、違法な企業の仕打ちにたいして、退職せざるを得ない労働者の為
の、合法的なテクニックです。決して、証拠をでっち上げて、違法に失業保険の給
付を受けることを奨めているわけではありません。
また、自己都合以外の場合は、会社の倒産や解雇、契約期間の満了などがあります。
これらは、当然に受給制限を受けません。
受給制限の解除〜自己都合のままでも受給制限を回避する方法〜
上記の方法は、退職前からの計画的な行動が必要です。従って、もうすでに退職し
てしまったり、有効な証拠を作れず、ハローワークを説得出来なかった場合、別の
方法があります。それは、職業訓練をうけることです。
職業訓練を受ければ、受給制限を解除することができる上に、失業保険を延長
して受給できることもあります。さらに、原則として、職業訓練は無料で受講
できます。
当然ですが、受給制限の解除の為だけに受ける職業訓練は制度の趣旨に反します。
当事務所では、あくまでも労働者の為の職場環境の向上を前提に、ライフワークを
見いだすための一つの手段として、この方法を紹介しております。再就職につなが
るような職業訓練を、きちんと受講しましょう。
職業訓練の受講内容については、最寄りのハローワークにて確認して下さい。
一つの逃げ道
以上、賢い失業保険のもらい方を、ごく大雑把ですが、紹介いたしました。受給日
数が何日とか(大抵は90日がおおいです)いくらもらえるのか(大体は月給の6
割程度です)とかは、ハローワークできちんと確認しておいて下さい。
ここでは、職場をやめる、というある意味最悪の選択肢を選ぶための、一つの逃げ
道を示しました。退職=収入ゼロ、という恐怖感から、どんな劣悪な職場でも、し
がみついて離れることができない人も大勢いらっしゃいます。
サイトの開設前、ある人に上記の方法を教えましたところ、辞めたくても辞められ
なかった職場を思い切って退職したところ、前からずっとやりたいと思っていた仕
事の話が来たそうです。
「退職、という重大な決断を思い切ってした結果のご褒美だ」と、その方は大変喜ば
れておりました。
たった一度しかない自分の人生です。本気で決断し、行動に移すと、事態はきっと
打開します。劣悪な職場にしがみついて、生きる屍になる前に、思い切って、自分
の人生を本気で決断して見ませんか?
失業保険という制度を上手に利用していただいて、人生を立て直すきっかけにして
頂ければ幸いです。
相談料について
私自身、かつて何度か無料相談を受けたことがあります。また、自分でも何度も無料相談に応じ
ました。そのとき思ったことですが、無料相談では、責任が持てない、ということです。
法律の専門家として、お客様に必要な専門知識を提供し、対価を受け取る。これがあるべき姿
だと思います。かりに、無料相談にした場合、商品をただで提供することになるのですから、回
答に対して責任が持てなくなります。
街頭で配っているティッシュなどが不良品でも、文句を言えない、というのと同じ理屈です。
法律相談とは、私たち専門家が多くの時間と費用をかけて習得し、それをお客様の窮状を聞い
た上で、最適な手段を講ずる、という高度なものです。目に見えないだけに、価値が計りにくい
のですが、私たち専門家にとってはれっきとした商品です。
無料相談という形で試供品を提供することもできますが、私は、対価を頂くことで、責任もって、
法律相談に応じたい、と考えております。
初めて当事務所を利用するのだから、「司法書士飯山陽平」という人物がどの様な人柄か。
小売店では、ショーケースに商品を入れておいて、必要に応じて取り出して、お客様に見せる
ことはできますが、人柄に関してはそうはいきません。
ですので、このサイト全体にわたり、私の考え方を前面に出しております。
このサイトをご覧いただいて、信用に値する、と判断して頂くことができましたら、ぜひ当事務所
の法律相談をご利用下さい。
メール相談 一回 5,250円+実費(領収書郵送料)
面接相談(事務所) 一時間 5,250円
面接相談(事務所以外)一時間 5,250円
+交通費実費+日当(往復一時間以内5,250円)
※法律扶助制度をご利用の場合は無料となります。申込の際、事前にお知らせ下さい。
労働法律相談申込はこちらからお願い致します。
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