理解しておきたい日常の法律知識
ここでは、日常生活の中で、意外と知られていないけど重要な法律知識、法律問題などを紹介していきます。
印鑑編
1.実印と認印の違い
認印なら、気軽に押印してもかまわないが、実印なら、慎重にすべきである
よくある間違った認識です。認印であろうと、実印であろうと、印鑑を押印する時は、
慎重にすべきです。では、実印と認印とでは、具体的な効力の違いは何でしょうか。
一言で言うと、証拠力の違いです。つまり、争いになり、裁判になったときに、実印
と認印では全然効力が違います。
つまり、印鑑がらみで争いになるのは、文書の成立に関してです。文書の成立とは、
文書の作成者によって、正しく作成されたかどうか、という問題です
具体的には、契約書に、Aさんという署名と押印がしてあって、Aさんが、その契約書
について、まったく覚えがない場合、偽造の疑いが出てきます。
実際に裁判で争う場合、契約書にAさんの印鑑が押してある、つまり、Aさんが署名押
印した、と推測されます。それにより、Aさんの真意に基づいて正しくされた契約書
だ、という認識になります。
Aさんが、偽造されたと主張した場合、相手は、偽造でないことを立証することにな
ります。そこで、ようやく実印と認印との違いが出てきます。つまり、ここでAさん
の印鑑証明書を相手が提出したら、偽造でないことが、かなり明白になります。実印
と印鑑カードは本人が厳重に管理してある、と考えるのが一般的であり、Aさんの実印
による押印と印鑑証明書がある以上、偽造である、という主張は、認められにくくな
るでしょう。
このように、裁判沙汰になった場合に大きく効果が違うとはいえ、裁判にならなかった
場合には、実印と認印とでは、大きな違いはありません。だから、認印だから、安易に
押印できる、というものではありません。
契約書等に押印するときは、たとえ認印であっても、きちんと内容を把握して、納得し
た上で、押印するように心がけましょう。
2.実印とはなにか
実印は、はんこ屋で買える
厳密に言うと、これは誤りです。なぜなら、実印とは、市区町村役場に、印鑑登録して
ある印鑑のことだからです。つまり、はんこ屋の印鑑は、印鑑登録していないため、実
印ではありません。
「実印用の印鑑」なら、はんこ屋で買えます。
印鑑登録手続は、市区町村の条例に従うため、多少違いがありますが、一例を挙げて紹
介します。身分を証明するものと、実印用印鑑を持って、役所に行きます。そこで、登
録申請書に必要事項を書いて提出し、役場の職員の指示に従えば手続は終了です。混ん
でなければ、5分もあれば、終わります。
手続が終了すると、印鑑カードが交付されます。今後、印鑑証明書を発行するのに、必
ず必要になります。
実印があれば、印鑑カードがなくても、印鑑証明書を発行できる
よくある誤解です。印鑑証明書発行申請書に、必要事項を書いて、印鑑カードとともに
提出すれば印鑑証明書を発行してもらえます。つまり、カードがないと、実印がなければ
印鑑証明書を発行してもらえません。
また、本人でなくても、印鑑カードがあれば、発行できます。印鑑証明書発行申請書に、
生年月日を書く欄があります。生年月日がわかれば、代理人への委任状などがなくても発
行できます。
したがって、印鑑証明書と、実印と印鑑カードは同じ場所には保管しないようにしましょ
う。印鑑証明書には、生年月日が記載されています。したがって、同じ場所に保管してお
くと、盗難に遭った場合大変危険です。
もし、盗難に遭ったり、実印を紛失した場合は、すぐに、役所に出向いて、印鑑の廃止手
続をとりましょう。
3.印鑑の種類
押印
印を押すこと。捺印ともいう。
割印
わりいんと読む。複数の文書が、それぞれ同じであることを示すために押す。具体例は、
契約書を、売主用と買主用各一通作成し、同じ契約書であることを示すために、割り印
をする。
契印
けいいんと読む。一つの文書が複数枚になるとき、文書の続きであることを示すために
す。これにより、一枚抜いて書き換えたりなどの書類の改ざんを防ぐ。それぞれページ
の境目に押すか、枚数が多い場合、袋とじにして、テープに割り印をする。
止め印
文書の最後に押す。止め印の部分で文書が終わりであることを示すために押す。これに
より、文書に書き足したりなどの改ざんを防ぐ。
訂正印
書き損じがあった場合、訂正部分に押す。
捨て印
書き損じにそなえて、あらかじめ欄外に押しておく訂正印。印の手前に、「一字訂正」
などと記載し、文書を訂正する場合に使う。改ざん防止のため、濫用は慎むべき。
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